船劇場「船体上部壁面・甲板のペンキ塗装作業」レポート&次回作業参加者募集!

船劇場の船底修繕を終え、6月14日、新たな船劇場活用のための第一歩として開催するライブのため、私たちは船劇場の整備を進めています。

この度、似て非ワークスの稲吉さんのご紹介で、青木塗装の青木社長にレクチャーをしていただきながら、船体上部と甲板のペンキ塗装を行うことになりました。

作業内容はグラインダーでの錆削り、錆止め塗装、ペンキ塗装です。

グラインダーは初心者には危険があるとのことで、予め使い方の動画視聴や保護服、保護メガネの準備など稲吉さんから指導があり、危険回避のため削る作業だけ経験者に任せるという選択肢も提示していただきましたが、完全防備で削る作業から自分達で行うことにしました。

はじめ5月14日に予定していましたが雨天のため延期、21日が初日となりました。

一日目(5月21日)

曇りのち雨。

朝8:30に船劇場に集合。

購入しておいた不織布のフード付き防塵つなぎ、同じく不織布の靴カバー、安全メガネ、フェイスシールド、革手袋を装着。ひどく物々しい装備で船劇場の外へ出ると、稲吉さんと青木さんが材を積んだバンの横に待機しておられました。私たちの姿を見てお二人がお笑いになるので「あれ?これでいいんですよね?」と尋ねると「うんうん、いいんだよ」と笑っておられます。お二人は半袖のごく軽装です。なんだか恥ずかしい気もしましたが、素人が怪我をしないようにとのお心遣い、とてもありがたく思いました。(その後稲吉さんは様子を見てお帰りになりました)

まずは甲板の物をどかして掃除。こんなにゴミが出るのかという驚きの後に、こんなに広いスペースだったのかという驚き。ゴミは錆や土みたいなものやロープのかけらなど。続いていよいよグラインダー。回転する砥石を強く押しつけると割れることがあり、それが飛び散って刺さると物凄く危険とのことで相当ビビっていましたが、動画で学んだ通り優しく撫でるように削って行くと、案外なんでもありません。ただ優しく削るのでどこまで削れているのか、また安全メガネとフェイスシールドで視界が歪むのでよくわからない。そこで青木さんに「いいよ」と言われるまで削ります。

作業メンバーは劇団の奥本、松本、吉岡の他に、ボランティアに応募してくださったKさん、船劇場プロデュースを後押ししてくださっている映画プロデューサーの古澤さん。Kさんは木造船時代から最新の『白い影絵』まで、度々観劇してくださっており、なんとバナナの叩き売りなどをされる大道芸人とのこと。そもそも劇団の語りの側面にご興味を持たれたというのも頷けます。古澤さんは防水屋さんをしていたことがあるとのことで、グラインダーもお手のもの、メガネのみの軽装でガンガン削っていらっしゃいます。「慣れるとこんな感じか〜」と横で思いながら、重装備の暑さとメガネでゆらゆらする視界に耐えながら私たちも一生懸命削ります。

砥石型、ブラシ型のグラインダーで一気に錆を落とし、箒やブロアー(風で吹き飛ばす掃除機)で塵を払い、次に赤錆色の錆止めを塗って行きます。「たっぷり塗っていいよ」とのことでふんだんに塗って行きます。甲板の端など案外入り組んでいて、頭を地に付けて屈んで塗る、寝転んで塗るなどそれぞれです。

作業に慣れて、塗るのも少し上手くなって来た頃、気付くと雨が降っており、強くなって来たので、急遽本日の作業は終了ということになりました。

10時。まだ1時間半しか経っていなかったのかぁと、疲労と充実感とで満足し、ちょっと早いけど持参したおにぎりを食べて解散しました。

前日夜、劇団のメンバーは「よこはまかわを考える会」で講演をし、打ち上げにも参加し、またいつにない早朝からの労働、最近の非常にタイトなスケジュールでかなり疲労しており、帰宅後吉岡、松本はそれぞれ即昼寝、奥本は姪っ子が遊びに来ていたので昼寝出来ず。それでもプロの頼もしいサポートを受けながら気持ちよく汗を流した楽しい時間でした。明日も8:30から!

二日目(5月22日)

雨のち晴れ。

8:30船劇場集合。

前日と同じ装備。稲吉さんが購入してくださった目出し帽のような黒い防塵マスクを、前日使うのを忘れており、この日は着用。100円ショップのフェイスシールドとおさらばしたら、視界が随分すっきりしてやる気がみなぎります。

作業は前日の続き。ヘラで角のゴミを掻き出す、ブラシで塵を掻き落とす、箒とブロアーで塵を払う。また朝に雨が降った後だったので、ブロアーやドライヤーで湿った部分をじっくり乾かします。乾いて綺麗な部分から錆止めをどんどん塗って行きます。船の甲板にはいろいろな装置があり様々な形の訳のわからない箇所へもとにかく塗って行きます。

ピカピカに晴れて、甲板に座り込み、波に揺れながら、ちょっと危ない船縁も平気になってしまって10時に休憩。休憩後は乾いた錆止めの上に順次黒ペンキを塗って行きます。

錆止め隊は船の側面にも移動。側面に設置してあった階段を岸壁に下ろし、階段には白ペンキを塗ることに。

錆止めの上に黒ペンキをきっちり塗るのは案外難しく、入り組んだ部分の塗り残しはもちろん、平面の塗り残しも気付かないことが多いのです。すると青木さんがあちこち指を指して「ここ、ここ、ここ、ここ、ここ、ここ。」と塗り残しを指摘します。「顔がいいから目もいいんだよ〜」と。ご本人は冗談のつもりですが、「実際に男前だからなぁ」と心の中で思いつつ、日にキラキラ光ってよく見えない塗り残しを探して埋めて行きます。「(こんな塗り残しは)弟子だったら怒鳴られちゃうんですか?」と言ったらただ笑っていらっしゃいます。素人に冗談も交えて優しく教えてくださいます。コツは材(塗料)をたっぷり塗ることだと何度も教えていただきました。たっぷり置くと入り組んだ凹凸へしっかり色が入ります。

12時から1時までの昼休み、3時頃のおやつ休憩を挟み5時頃まで、一般の工事現場と同じ時間割で一端の職人のように働き、甲板は隅々まで黒く、岸壁側の側面は途中まで黒く、その先は錆止め色になって、本日の作業は終了しました。

一人で白ペンキを担当しひたすら階段を塗っていた松本は髪の先まで白い針金のオブジェのように染まってしまい、つなぎから出ていた腕は赤く日焼けして、不織布を染みたペンキがあちこちについてしまい、次回はちゃんとしたつなぎを買おう!ということになりました。

塗る箇所の形状に合わせて体勢を作り、立ったり座ったり、捻ったり、いろいろ無理な格好を繰り返したので、次の日は筋肉痛になってしまいました。でも初夏の日差しを浴びて波に揺られ、作業に集中していい汗をかき、スポーツドリンクを美味しく飲んで、心地よい疲労と共に心もリフレッシュしました。

次回は5月29日(日)8:30から。青木さんは「俺、日曜日デートなんだけどな〜」と言いつつ「朝見たいテレビもあるんだけどな〜、俺テレビっ子だから」とも言いつつ、また指導に来てくださいます。プロのレクチャーを受けながらの作業、とても楽しいので、ご興味のある方には是非ご参加いただきたいと思っております!

横浜ボートシアター

吉岡紗矢/奥本聡/松本利洋

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船劇場ペンキ塗装ボランティア募集

船劇場船体のペンキ塗りボランティアを募集いたします。
新たな船劇場の出発のために、ぜひご協力いただければ幸いです。

お知らせ・注意事項
  • 前回の作業では、甲板部分から接岸部分に錆止め、仕上げ塗装を塗りました。
  • 今回もプロの塗装屋さんにご指導いただきながらの楽しい作業です。
  • 汚れてもいい作業着(ツナギなど)、滑らない靴をご用意ください。
  • 野外作業なので、気になる方は日焼け対策をお願いいたします。
  • 雨天延期です。
  • 昼食をご持参ください。

日時:2022年5月29日(日)8時30分〜17時
集合:みなとみらい線「元町・中華街駅」1〜4番出口方面改札に8時

作業予定:サビ止め塗料塗り、仕上げペンキ塗り、船体のサビ落としなど

応募・お問い合わせ
info@yokohama-boattheatre.org
080-6737-5208

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