演目
藪の中
あらすじ
藪の中で男の死体が見つかった。
検非違使の前で証言する木樵、旅法師、放免(刑吏)、媼。
続いて当事者として告白をする多襄丸、女、巫女に乗り移った死霊。
それぞれによって語られる事件の内容は大きく食い違い、真相はわからない。
自分に不利な告白さえする当事者達。
果たしてどこに真実があるのか?
読者を悩ませ続ける迷宮入りの事件のなかに見えてくる、「恥」や「真」とは?
「藪の中」は、語りとしては非常に難度の高い作品ですが、綾香詳三の強い希望で挑戦することとなりました。
ひとつの殺人事件について登場人物それぞれが異なった内容を証言することで、
読者に知的な挑発を仕掛けてくるこの作品は、
とかく謎解きの側面が大きく取り上げられる傾向にあります。
しかし、各人にとっての「誠」が互いに食い違うという、人間の不条理自体がテーマと言えるかもしれません。
語りによる新たな「藪の中」をお楽しみ下さい。
にごりえ
あらすじ
時は明治。東京の新開地にある銘酒屋(売春も行う)「菊の井」の一枚看板お力には、朝之助という上客がつく。心を許したお力は朝之助に、自分の貧しく辛かった子供の頃の思い出を語り、涙を流す。
お力には、妻子ある布団屋の源七という馴染み客がいた。お力に入れあげ店も無くし、今では土方の手伝いして二畳一間の裏長屋での親子三人暮らし。そうなっても源七はお力のことを思い切れず、とうとう妻子を追い出してしまう。
それからしばらくして、お寺の山でお力と源七の心中死体が見つかり、人々は得心づくか無理心中かと取り沙汰し、お寺の山から人魂か何か筋を引く光を見たと噂した。
「にごりえ」とは、濁った水の溜まった入り江のこと。
樋口一葉の作品は 120年前と変わらず、現代の読者をも魅了し続けて止みません。
難解なイメージのある彼女の文章ですが、
語りによって耳から聴くと意味的にも情景的にも本来の素晴らしさがよく伝わってきます。
本公演ではそのような樋口一葉作品の、語りものとしての新しい魅力をお届けできればと願っています。
キャスト
綾香詳三(藪の中)
吉岡紗矢(にごりえ)
スタッフ
演出:遠藤啄郎
音楽・演奏:松本利洋
制作:奥本聡
協力:ひらがな商店街アートスペース「と」
主催:横浜ボートシアター
日時
2014年12月20日(土)〜21日(日)
15時開演(開場は開演の30分前)
会場
お問い合わせ
- TEL
- 080-6737-5208(横浜ボートシアター)
- yokohama.boat.theatre@gmail.com(横浜ボートシアター)
- お問い合わせフォーム
- こちら