小熊秀雄作「長長秋夜」は叙事詩的な作品です。
出来事を中心に組み立てられる叙事詩には起こった事、状態、情景などを表現するために地の文が多く含まれますが、
この地の文こそは語りにとって非常に重要なものである、とボートシアターは考えています。
古来、叙事詩は必ずある宗教観、世界観、哲学観を背景につくられてきました。
そこで表現されているのは単なるひとつの出来事を越えて、人はいかに生きるべきか、
世界はどんなものであるのか、などといった世界全体に関わることです。
横浜ボートシアターは常に作品世界そのものを舞台上に表現しようと試みています。
語りはそういった試みの中でも、非常に根本的な手法であると言えるでしょう。
目次
作品紹介
戦前に活躍した詩人・小熊秀雄によるドラマチックな詩。
植民地時代の朝鮮を題材とした作品で、貧困と圧制、伝統と新しい価値観の対立について書かれている。
とくたら、とくたらと洗濯物を叩く老婆の視点から描かれている。
ダイナミックな文体が特徴的で、迫力ある一人語り作品として上演された。
上演時間はおよそ20分。
感想(2012年12月)
- 朝鮮の生活が見えるようであった。
- 初めての作品でしたが、聴いている時から、日本の圧制による苦しみのすさまじさを感じっていました。この作品を書いたのは日本人なのですね。
上演記録
2012年10月 語りの会
2012年12月 語りの会
作:小熊秀雄
演出:遠藤啄郎
音楽:松本利洋
語り:綾香詳三
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語り公演「日本間で聴く樋口一葉・芥川龍之介」開催に際し、劇団の語り作品を特集: 【語り作品紹介】長長秋夜(ぢゃんぢゃんちゅうや) http://t.co/wELwR7Oaas