元抽象画家・遠藤啄郎による影絵人形デザイン(「月夜のけだもの」稽古日誌)

人形を作りながら、稽古をしながら……といった具合で物作りと稽古が並行して進むのは劇団の常ですが、
最近は2月公演の稽古や「さらばアメリカ!」との兼ね合いもあり、近年稀に見るバタバタさ加減。
とても慌ただしくも、充実した日々が続いております。
さて、今回は新作「月夜のけだもの」の物作りや稽古の様子を少しご紹介!

「月夜のけだもの」は、30代まで画家だった遠藤が人形デザインをした。
遠藤は仮面をたくさん作って来たので、キャラクターを掴み造形化することが得意。
画家時代は影などの調子を付けて立体感を出すのではなく、平面的な線の構成だけで立体感を出すことを研究していた。今回その作風がよく表れている。
遠藤デザインの雲

遠藤はかつて抽象絵画を描いていた。その経験が活きた雲の人形(?)

遠藤の絵で影絵を作るのは2度目。2007年の「火山の王宮」で大量の影絵を作って以来だ。
前回は下絵を片っ端から人形にしたが、今回はボール紙で何度も試作を作り、キャラクターや形、構造などを研究した。しかし実際に完成品を作る段では、工程を体が覚えていて実にスムースに進んだ。
スムースと言えば語りながらの人形操作も「極楽金魚」の時は四苦八苦でノイローゼになりそうだったが、今回は基本的なやり方を体が呑み込んでいて、驚くほど稽古がスムースに進む。
ところで二作品に共通するのは言葉の簡潔さ。驚くほど簡潔で、覚える時にそれが助けになった。
年末年始も人形制作をし、1月からは「さらばアメリカ!」の他に3作品の語り稽古も入って来たが、遠藤はとても楽しんで仕事を続けて来た。松本くんも怒涛の作品作りの中で、音でのドラマ作りが上手くなっているようだ。
松本くんは音楽の他に「極楽金魚」のLED作りを担当している。ハンダ付けもだいぶ上手くなったよう。
本日(編注:3月12日)ようやく「月夜のけだもの」の道具が一式揃った。あとは少々の手直しの他はひたすら稽古あるのみ。
遠藤はもう「次の影絵は何を作ろうか」と言っている。
ボートシアターの影絵部門、こつこつと可能性を広げて行くつもり。
記:吉岡紗矢

おまけ

遠藤啄郎の画家時代の作品の一部は、劇団35周年記念冊子『「場」の持つ力』にてご覧になれます。

→『「場」の持つ力』詳細ページ

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