12月語り公演「日本間で聴く樋口一葉・芥川龍之介」稽古日誌(8)

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藪の中

演出・役者共にかなり手応えをつかんだようです。最後の巫女の語りは非常に難しいという課題こそ残っていますが、前半部分はいい感じにまとまってきました。最後まで気は抜けませんが、これでようやくラストスパートまでの道がはっきりと見えてきたと言えるのではないでしょうか。
個人的に言えば、半ばヤケクソ、半ば一目惚れで買った新しいエフェクターが使いこなせずにしょっぱい音をたくさん出してしまいました。しかし、方向性にはある程度OKをもらえたので、これから頑張って使い込みつつ、細部を詰めていきたいところです。

稽古終盤で仕事帰りの奥本くんが到着。

「藪の中」の稽古後、遠藤さんの誕生祝いに、吉岡さんが用意したケーキをいただきました。誕生日らしくロウソクを立てて遠藤さんに火を吹き消してもらったり……(ちなみにハッピーバースデイの歌は遠藤さんの希望により割愛)。奥本くんは自らの手で収穫した玄米をプレゼント。その玄米は、小田原の田んぼで農作物を育てている知り合いを手伝った成果のようです。僕からは、遠藤さんが以前からご所望だった業務用豆板醤をプレゼントさせていただきました。

綾香さんが退出してしばらくすると、お仕事帰りの垣花理恵子さんがいらっしゃいました。

垣花さんは「土神と狐」をご覧になって以来、横浜ボートシアターの活動に参加するようになり、「恋に狂ひて」では演出助手として稽古をスムーズに進行する上で非常に重要な役割を果たしてくださいました。演劇に関する活動の他、執筆業にも携わっており、最近は特にお忙しく過ごされているようです。

そして、ほどなくして「にごりえ」の稽古がスタート。

 

にごりえ

吉岡さんの風邪がまだ全快ではないこともあってか、語りは全体にパワー不足だという指摘もありました(確かに普通に話している時の声量もいつもより落ちていました)。また、世話物的な題材ではあるものの、もっとある種の無骨さをもって語られるべきだ、というダメ出しもありました。しかし、一方で、今まで以上に良い集中を保って最後までやり切れたという実感があったようにも感じられます。

音楽面では、垣花さんから「もうちょっと予定調和でない感じにしたらどうだ」という趣旨のダメ出しをいただきました。これも確かにその通りだな、と思いました。しかし、聴く人から予定調和だと感じられるということは、ドラマに対する音付けの基本は押さえられているということ(のはず)。これも下を向くよりはポジティブに捉えて、残り時間で工夫を凝らしていきたいところです。

 

稽古後

ご自身の誕生日にも関わらず、いつも通り遠藤さん自らの手によるスパゲッティとサラダをいただくことになりました。主菜はアスパラ・しらす・カラスミのスパゲッティ、副菜はマグロのサラダ、さらにはお好みでフランスパンをいただく、という豪華な夕飯。思い出しただけでお腹が空きます。ごちそうさまでした。とても美味しかったです。なお、垣花さんからは、遠藤さんの誕生日祝いにお花と横浜にちなんだ横濱ミルフィユ!早速皆さんで美味しくいただきました。

食事後は主に「語り」のことについてみんなで話し合い。今回の公演をきっかけに、「語り」という表現方法についてみんなが改めて考えています。その内容を共有し、深めていき、皆さんに「語り」の素晴らしさや面白さを知っていただくよう、諸々頑張っていきたいです。

松本利洋

 

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