12月語り公演「日本間で聴く樋口一葉・芥川龍之介」稽古日誌(6)

12月語り公演「日本間で聴く樋口一葉・芥川龍之介」の稽古日誌第6回目です。

稽古自体の内容も深まっていく中、今回は「にごりえ」の稽古の際にひとみ座の中村座長にご見学いただきました!

(※当公演では公演当日のボランティアを募集しております。お手伝いいただいたお礼として、公演の本番をご覧いただけます。ご興味のある方はお早めに劇団までご連絡ください)


目次

藪の中

「巫女の口を借りたる死霊の物語」の語りを重点的に稽古しました。より分かりやすく、印象的になるように細かな演出の指示が入ります。非常にテクニカルです。稽古中に遠藤さんがおっしゃっていましたが、一種作曲に近い作り込みと言えるでしょう。音楽に関しても、どのように入れるか、それなりに計算をしないといけないなと感じています。

巫女は一種本来の「語り」に近い作り込み方ができるようなパートということもあり、ボートシアターの面々も他のパートとは違った可能性を感じているようでもありました。確かに、うまくいけばとても聴き応えのある面白いパートになりそうです。

にごりえ

ひとみ座の中村座長がご覧になる中での通し稽古となりました。観賞後にお話をうかがったところ、文体、構成、描写力などあらゆる側面に感銘を受けてらっしゃるご様子でした。ひとまず一葉作品の素晴らしさをお伝えすることはできたようで、ホッとしております。音楽に関して言えば、だんだん入れる場面を増やしていく方向性になりつつあります。

座長の言葉で印象的だったのは、「少し引いた視点から語った方がこの作品に合っている」というものです。「にごりえ」という作品は貧しい人たちを描いてこそいるが、その点にこだわって下品さを強調しすぎると、作品自体の品格が出なくなってしまう。本当にその通りだな、と思いました。お客様に作品自体の美しさを感じていただけるよう、 音楽の面からもサポートをしていきたいです。

中村座長にはおみやげに温かい中華まんをたくさんいただきました。稽古場がちょうど寒くなってきた中だったこともあり、身に沁みておいしかったです。ありがとうございました。

余談

遠藤さんがとうとうiPad Air 2を購入しました。とりあえず劇団の公演写真と仮面の画像をあるだけ取り込んで、基本的な操作方法を学習中です。素晴らしいチャレンジ精神、見習わせていただきます。

松本利洋

コメント

コメント一覧 (1件)

目次