語りワークショップ日誌(1月8日)
本日は新年のワークショップはじめでした。参加者は少なめでしたが、今年も各々の地道な探究がスタートしました。
皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
はじめに今年の語りワークショップの予定をお知らせいたします。
(公演等の日程の影響で変更が出る可能性もありますが、その場合は随時お知らせをして参ります)
2015年語りワークショップの予定
- 1月~6月 毎週木曜日
- 7月~12月 毎週月曜日
- 10月17日 語りワークショップ成果発表会
- 2月19日 お休み
ワークショップこぼれ話
本日の参加者は皆、昨年に引き続き樋口一葉作品を稽古しました。
その中で今日は、樋口一葉作品に合った声というものがあるようだという話が出ました。それはすなわち世話物を表現できる声とも言い換えられます。
ボートシアターは柔らかさや軽さを必要とする世話物の作品よりは、どちらかと言えば力強く朗々と語る叙事詩を中心に取り組んで来ました。世話物はより細やかな表現と声の幅が必要になって来るようです。樋口一葉作品に取り組むに当たって、まずは基礎的な発声を見直すことも視野に入れねばなりません。
本日は音楽をやっている松本くんが出席しており、音楽的な観点から語りへの様々な指摘をしてくれました。
その一つは音程、特に文末の音程の違いに注意を払うことで、場面の雰囲気の違いが作れるのではないか、ということです。語尾を説得力のある音程と音量にきっちりはめ込むのはなかなか難しく、遠藤さんからもしきりにダメ出しがされます。全体を作曲・構成する音楽家的視点と表現力が必要という訳です。
また、各場面に即してリズムを変えるべきとの指摘もありました。ともすると、ニュアンスを変えているつもりでも全体のリズムが一定になり、話が立体的に聞こえないというのはよくあることです。
他には体の余計な動きが言葉の表現を阻害しているのではという指摘があり、これは腹の支えの甘さゆえ体が無駄に動くという結論に達しました。
ワークショップの後、語りの重要な点である「関係性を描く」ということについて遠藤さんと話しました。遠藤さんはよく「感情はいらない」と役者に言います。これをどう理解するか。これは「役者自身の感情はいならない。役の感情を描写するべきだ」という意味ではないでしょうか。役の感情を描写するには関係性が描けなければならない。関係性を描くには自在な呼吸コントロールと声の幅が必要だ、となるのです。
吉岡紗矢
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