当劇団が事務局として参加中の「みんなの山下ふ頭に○○があったらイイナ」プロジェクト(※1)では、今年3月より、ふ頭の利活用について多くの市民が参加して対話を重ね、今秋に第1回目の提案書を発表すべく活動中です。
プロジェクトでの度重なる対話を通じ、私たちは、都市開発のあり方、市民共同体の今後、環境問題等、過去から未来を見渡す大きな視座がふ頭の再開発において不可欠だと考えるようになりました。
そこで、深い知見と大きなスケールを兼ね備えた中村桂子・吉見俊哉の両先生方に、今後の横浜のあり方について語っていただくシンポジウムを実施する運びとなりました。当劇団に所縁のある両先生方にご登壇いただけることは、私たちにとっても大きな喜びです。
中村桂子先生は、劇団前代表の遠藤啄郎と「語り」というキーワードで意気投合し、2006年に宮沢賢治を題材にした劇団公演「賢治讃え」を共同企画し、先生が当時館長を務めておられたJT生命史研究館で公演の一演目「土神と狐」も上演しました。
吉見先生は、1980年代、先生がまだ東大大学院生の頃、当時中村川に係留していた木造だるま船の船劇場での「若きアビマニュの死」制作に、遠藤の演出助手として関わっておられました。
社会学者の吉見先生は、ご専門の都市論から、生命誌研究者の中村先生は、自然の中の人間、生き物としての人間という大きな視点から、人間の幸せとは何か、まちづくりにとって大切な事は何かなどを語っていただく予定です。
横浜の文化事業に深く携わってこられた野田邦弘先生がお二人をお迎えし、司会を務められます。
今回設定したテーマは横浜という一地方に関わるものではありますが、どなたにとっても興味深い対談となることでしょう。ぜひ、8月27日は横浜情報文化センターまで足をお運びください。
(※1)船劇場の利活用計画に端を発し、カジノ開発計画を市民たちの団結によって退けたいま、市民が多様に活用できるエリアを山下ふ頭に作ることを目指す運動。プロジェクトの一部に船劇場を位置付け、市民が利用できる劇場として山下ふ頭に係留することを目標にしています。