乙女と通じた馬が殺され昇天する、遠野の「おしらさま」の物語、中国朝廷での残酷な品種改良の結果生まれたとされる、グロテスクな姿の金魚「頂天眼」、身代わり人形として供養に用いられる高松の「奉公さん人形」、これらを三題噺とする着想で遠藤啄郎が創作した『極楽金魚』は、生きるために避けられぬ「犠牲」への、私たちの切なる祈りをすくいあげます。病気の子供を助けたいと願う親心、貧富の差、あらゆる関係に潜む差別が生み出す悲劇、これは現代を生きる私たちの物語です。
1960年代に書かれ、遠藤啄郎が演劇に求めた祝祭性の原点として劇化し、世界各地で絶賛された本作は、今でも色褪せることない物語の力を発揮し続けており、2012年からは影絵人形劇として上演を重ねてまいりました。
暗闇に浮かび上がる物語の影を観るという不可思議な体験を、この度は夜の船劇場を舞台に、映画風に収録しました。撮影・編集を行いましたのは、亡き遠藤啄郎の最年少の友達とその仲間が結成している、若き映像制作グループ「Shell Mound Pictures」です。
困難な時代にあって、物語が、そして祝祭劇が私たちの力になりますことを切に願っております。是非ご覧ください。
配信詳細
- 配信料金:2000円
- お支払い方法:銀行振込、郵便振替、PayPal
- 視聴期間:配信ページへのURLを送付後、1ヶ月間