2020年に撮影した創作影絵人形劇『洞熊学校を卒業した三人』(宮澤賢治作)より「銀色のなめくぢはどうしたか」を再公開いたしました。
弱肉強食の世界に生きる動物たちの熾烈な生存競争を滑稽に描いた残酷喜劇です。洞熊学校という怪しげな学校を卒業した蜘蛛、なめくぢ、たぬき三者の成り上がりと没落が完結な文体で見事に描かれた作品です。風刺的な内容の背景には、賢治が当時経験した東北の飢饉があるとも言われています。
今回公開するのは、「なめくぢ」の物語。食べ物に困ったかたつむり、足を蛇に噛まれたトカゲなどを親切にもてなすなめくぢですが、その施しには裏があったのです……
語り・人形操作は吉岡紗矢1人で担当しており、動画では、スクリーンの裏側で実際に語りながら操作している様子もご覧いただけます。
この作品は奇しくも前代表の遠藤啄郎が最後に演出した作品です。いずれまた、舞台で皆様にお届けする機会があればと思っておりますが、今回は一部を動画で公開いたしましたので、ぜひご覧ください。
作:宮澤賢治
演出:遠藤啄郎
語り・人形操作:吉岡紗矢
人形デザイン:佐俣水緒
音楽・演奏:松本利洋
人形製作:佐俣水緒 遠藤啄郎 吉岡紗矢
舞台監督:奥本聡
監督:田中千里
撮影:田中千里 佐俣水緒
編集:松本利洋
東京都「アートにエールを!」(2020年)参加作品