『日本間で聴く宮澤賢治』稽古日誌(1月26日)

日本間で聴く一葉稽古風景 遠藤啄郎、玉寄長政、吉岡紗矢、岡屋幸子、松本利洋

本日は3回目の稽古です。

別の作家が書いたかと思われるくらい今回の三作品は趣きが違います。
結果的によい組み合わせだったのでは、と先週話していました。

 

 

「いてふの実」は人生の節目のスケッチ。
「水仙月の四日」はダイナミックな自然描写。
「土神と狐」は濃厚な三角関係のドラマ。

共通するのは賢治が自然に寄り添い、その営みから読み取った物語であることでしょう。

「いてふの実」は岡屋さんのストレートでさっぱりした語りが、銀杏の子供たちの喋り口調によくマッチしてると思われる作品です。今日辺りから松本くんの音楽が銀杏の子供たちの旅立ちをドラマチックに演出し始めたので、終わりの方はそれに拮抗するしっかりした語り方を求められていました。

「水仙月の四日」は、1回目の稽古は歌のように語り、2回目の稽古は出たとこ勝負で語り、いろいろ課題が見えたので、今日はとにかく言葉を動かして鮮やかに語ろうと思って挑みました。単語に執着し過ぎて間が空き過ぎる、粘り過ぎると、冒頭を何度かやり直し。じわじわ上げるのではなく冒頭から高いテンションで入らなければいけないというのが今日の収穫です。

「土神と狐」。玉寄さんは12年前に虚無的で印象の強い土神の役をやっています。今回は人物造形を得意としている玉寄さんならではの芝居的な語り口です。お腹を手術されたので、お腹の持続力に合わせた呼吸の長さで再構築中。あまりに高いテンションなので、先週は語った後に震えてしまっていました。

遠藤さんは鋭くダメ出しを言いながら、「こんな風に書けるもんじゃない」と賢治に感心しきり。「大概は理に落ちちゃうものだけどそうなっていないからねぇ」と。3時間の稽古の後は、間を開けず影絵人形の作業に移りました。とってもお元気です!

松本くんは音楽をとても工夫して来ていました。連日の稽古、劇団作業にも時間を割いてくれる中で着々と進めて来たので、周りも刺激を受けます。「音楽が入ると違うな〜。こういう風に音楽が入る語りがもっと流行るべきだ」と遠藤さんも言っていました。

今回は作品と語り口にそれぞれバリエーションがあり、メンバーも30代〜80代まで幅広い世代で作る語りの会で、学ぶこともたくさんあり、どのように仕上がるか楽しみです。
皆さまも二月はどうぞ稲葉邸へお越し下さいませ!

記:吉岡紗矢