10月上演「シグナルとシグナレス」の初稽古!

待望の賢治×遠藤@船の上演

10月に拠点であるボートシアターで久々の上演を行います!
題して『賢治讃劇場』、宮澤賢治の「フランドン農学校の豚」「シグナルとシグナレス」の二本立てです。

「シグナルとシグナレス」の初稽古を去る6月23日に行いました。
吉岡・奥本・松本がそれぞれの視点でご報告いたします。

 

深刻な喜劇、コミカルで切ない恋の物語 二本立て

「フランドン農学校の豚」は食に関するとても重たいテーマを持つ作品で、これをただ深刻に舞台化しても面白くないという遠藤の考えにより、喜劇としての劇化を目指すことになりました。
宮澤賢治や樋口一葉など素晴らしい作家の作品は常にそうですが、「フランドン農学校の豚」も登場人物の生態が厳しく冷静な目で描かれています。
初めて見る生き物の奇抜で驚きに満ちた生態を面白がるのと同じように、常識や見慣れてしまった人間の習性を、子供のように新鮮な目で捉え直し造形化することが、喜劇には必要ではないか。遠藤の発想力に導かれ、一同、頭の枠を壊す事へのチャレンジです!

「シグナルとシグナレス」は2006年の公演『賢治讃え』の中で初演されています。
今回は吉岡以外全て新キャストです。
この、信号機同士の恋の物語には熱烈なファンがいます。ここには遠藤の言う「かなわぬ恋への憧れ」があるのでしょうか。詰まるところ人は、暖炉に放り込まれて確実に燃える火より、消えそうになったり危ないほど燃え盛ったりする火を愛するということでしょうか。または根源的な無常や孤独に感付いているからこそ、かなわぬ恋に深く共感するのでしょうか。いずれにせよ劇化する私たちも大好きな作品です。松本くんは初めて読んだ時「賢治の作品の中で一番好きかも」と言っていましたし、柿澤さんは最初の読み合わせを終えた時泣いてしまいました。
これからの創作が実に楽しみです。皆さまもどうぞお楽しみに!

吉岡紗矢(「シグナルとシグナレス」語り手)

 

長ミーティングそして初稽古!

今日は「シグナルとシグナレス」の初読み合わせです。

この日の稽古は、本読みに入る前に、前日行われた「アメリカ!」の稽古の振り返りから始まりました。一通りみんなの感想を聞いた後、遠藤さんが話します(この内容については後日「アメリカ!」をご紹介するときにでも!)。話は「アメリカ!」のみならず、日本の演劇状況、遠藤さんが今まで観た世界の舞台等々へと繋がっていき、気づけば数時間ミーティングになりました。話がひと段落ついたところで休憩を挟んで、「シグナルとシグナレス」の本読みに突入します。

シグナレス(柿澤さん)との会話に一喜一憂して、主人公シグナル(リアルマッスル泉さん)が思わず発する鼻息荒い相槌や、倉庫(松本くん)が、シグナルの後見の電信柱(奥本)を諌めるために発した第一声など、くすりと笑ってしまうものでした。

初めての本読みが一通り終わると、遠藤さんがそれぞれの方向性と課題(例えば、電信柱や倉庫は腹におりた低いセリフを使えるようにしていくこと、シグナルは18,19の少年のイメージで作ること)を提示して、稽古は終了しました。

奥本聡(「シグナルとシグナレス」電信柱)

 

遠藤さんを虜にする宮澤賢治

劇団代表の遠藤さんは宮澤賢治作品を画家時代からずっと取り上げ続けているそうです。『土神と狐』『セロ弾きのゴーシュ』『水仙月の四日』等のボートシアターで演出した作品をはじめ、『おばけのネネム(ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記)』『二十六夜』等多くの作品を手がけていらっしゃいます。それほどに宮澤賢治作品を愛する遠藤さんですが、そういえば、いつどんな経緯で宮澤賢治作品に出会われたのか、聞いたことがありませんでした。今度お会いした時にぜひうかがいたいところです。

松本利洋(「シグナルとシグナレス」倉庫/音楽)