9月25日(土)〜26日(日)にオンラインワークショップを開催いたします。今回も語りと身体感覚のワークショップの2本立てで行います。新たな発見をする機会にしていただければ幸いです。各ワークショップとも定員がございますのでお早めにお申し込みください!
※両ワークショップともZoomを用いたオンラインでのワークショップです。お申し込み者には当日ミーティングURLをお送りいたします。
語りのワークショップ
今回は亡き師匠・遠藤啄郎の言葉をご紹介し、本ワークショップの考え方としてお伝えいたします。
〈遠藤啄郎語録〜語りについて〜〉
「言葉はお前さんより偉いんだ」
言葉には歴史がある。「朝」という言葉をなぜ「あ」と「さ」という音で表現するのか。そこには先人たちが積み上げて来た、日本語の音声としての豊かさがある。言葉は道具であり、使い方がある。時々すごい詩人が出て来ては新たな使い方を加えて来た。
「感情なんかいらない」
言葉を喋る時、お前さんの感情などどうでもいい。感情を込めるより、音の違い、文章の構造などをわかるように表現しなければ伝わらない。その上で情感が乗ってくるのだ。
「言葉で喋る」
言葉にはそれぞれ役割がある。その関係がわかることで意味やニュアンスが伝わる。言葉の関係性を使って喋りなさい。
「息を吸いながら喋れ」
息混じりの声で喋ると、音の違いが甘くなり伝わらない。息が長くもたないので明瞭に喋れない。息混じりで長く喋っていると疲れるし喉が痛くなる。余計な息を吐かず響きのある声で喋るために、息を吸いながら喋る意識を持つ。当然ながら本当に息を吸い込みながらは喋れないけどね(笑)
タイムテーブル
- 9月25日(土)13:30〜14:30 宮澤賢治「セロ弾きのゴーシュ」(部分)
- 9月25日(土)16:00〜17:00 石原吉郎の詩
- 9月26日(日)13:30〜14:30 石原吉郎の詩
- 9月26日(日)16:00〜17:00 宮澤賢治「セロ弾きのゴーシュ」(部分)
宮澤賢治「セロ弾きのゴーシュ」(部分)
冒頭の楽団の練習風景、ゴーシュが楽長に叱られている辺りまで。宮澤賢治の音楽性豊かな言葉の、独特なリズムや音色の組み合わせによって立ち上がって来る物語世界を楽しみましょう。
〈散文の物語〉「地の文→説明、セリフ→ドラマ」となりがちですが、空間や時間の変化、出来事の展開を追う地の文の語り口によってドラマを作ります。
石原吉郎「いちごつぶしのうた」「棒をのんだ話」「麦」「位置」
いずれの詩を選ぶかは自由選択。平易に書かれた言葉の中にある厳しさ、残酷さを注意深く拾って行きつつ独特のユーモアを味わいましょう。
〈詩〉言葉同士の飛躍に忠実に、身体を切り替え音声化することで、内容を発見し、詩人が切り拓いた言葉の可能性を体現します。作品が短いので、始めから終わりまでの方向性を出しながら全体の稽古がしやすいです。
※ 参加者が1名の場合、そのクラスは30分とさせていただきます。30分となる可能性が出た場合、前日にその旨をご連絡いたします。当日の開催1時間前に申し込みを打ち切り、人数に伴う時間を決定しご連絡いたします。
※各クラス定員3名。
※受講料2000円
講師:吉岡紗矢
桐朋学園大学芸術科演劇専攻卒。1997年『小栗判官・照手姫』シンガポール公演以降、2020年まで劇団のほぼ全ての作品に出演。2018年より池袋コミュニティ・カレッジにおける遠藤啄郎の語り講座「発声から言葉の表現まで」の助手を務め、2020年より講師を務める。代表作に、樋口一葉作『にごりえ』『十三夜』の一人語り、遠藤啄郎作『極楽金魚』、宮澤賢治作『洞熊学校を卒業した三人』『月夜のけだもの』の創作影絵人形劇がある。(全て演出/遠藤啄郎、音楽/松本利洋)2021年6月『白い影絵〜石原吉郎「望郷と海」および詩篇より〜』の脚本・演出を務める。
身体感覚を養うワークショップ
皆様は、一日のうちどれくらいの時間「座って」いらっしゃいますか?
食事時、デスクワーク、移動時間、友人とおしゃべりするとき……
気が付けば、座っている時間は短くないのではないでしょうか?
皆様もご存じのように、“地面に座る”ということは日本人には馴染みが深いものです。
伝統芸能や伝統武術などでも当然のように地面に座るところから稽古が始まります。
例えば、柔道でも道場に入れば、正面に正座をして座り礼をするところから始まりますし、子供が能の稽古を始める時はまず長時間座って稽古に耐えられるところから始め、狂言では正座のままで謡いの稽古も行います。現在は立ち居合が人気ですが、居合もかつては座って(居て)抜刀する方が主流でした。
ところが、同じ東アジアでも、中国では地面に座ることはほとんどありません。
椅子文化であるということもあり、中国武術では地面に座って稽古することは当然ないですし、
椅子に座っての稽古ということもあまりないのです。
このように、我々日本人には、特に座るという習慣が根付いていると言って良いと思います。
最近はテレワークが推奨され、室内で過ごす時間が増え、それに伴って座る時間がより長くなっているのではないでしょうか?
座ることが増えて、坐骨神経痛になった、肩こりが酷くなったという話もちらほらと耳にします。
そこで、今回のワークショップは“座った時の姿勢”を探り、体に負荷が少ない状態を研究していきます。
膝に負荷がかからないよう、正座ではなく、あぐらをかいた姿勢で身体の状態と向き合っていきます。
座った時にどのような姿勢をとっているか? 頭の位置はどこにあるのか? 手が前に出ると重心はどうなるのか?
尾てい骨の位置は? そして、立っているときとの違いは?
我々が日常生活を通じて、長時間行っている”座ること”をワークを通じて、研究していきませんか?
テーマ「座りを深める」
内容
- 肩甲骨を緩める動き
- ウエストをねじる動き
- 背骨の動きを確認する動き
- キーボードに向き合う動き
- 足の付け根をリラックスさせる動き
- 重心の変化を確認する動き
- その他
日時
9/25,26
15:00~15:30 (30分)
料金
1000円
定員
5名
講師:奥本聡
1987年生まれ横浜出身、慶應義塾大学卒。2006年より横浜ボートシアター(以下:YBT)の活動に参加。同年の戴氏心意拳の霍永利老師の来日講習会に参加し、中国武術の学習を開始。以後、戴氏心意拳を中心に太極梅花蟷螂拳(冨樫泰行老師)なども学習。現在は、戴氏心意拳の教授許可も得ている(一部)。YBTにおいては、中国武術で学習した内容を舞台とリンクさせながら、“アジア的な身体”を模索しつつ活動中である。
「土神と狐」(作:宮澤賢治 演出:遠藤啄郎)の狐役、「フランドン農学校の豚」(作:宮澤賢治 演出:遠藤啄郎)の豚役、「恋に狂ひて」(脚本・演出:遠藤啄郎)商人役、猿役などでの様式性を持った動きに定評がある。
主な出演作品説経愛護の若より「恋に狂ひて」(2014年、2015年、2016年 主催:YBT 東京公演 提携:シアターX 2016年公演 提携:KAAT神奈川芸術劇場)「さらばアメリカ!」(2018年 主催:YBT 提携:KAAT神奈川芸術劇場)「小栗と照手」(2008年、2009年 主催:シアターX 東京・ルーマニア)「Light part7」(2010年 主催:ケイタケイ’s ムービングアースオリエントスフィア―)アニメ「PSYCHO-PASS3」 武術アクション協力