女子美術大学で講義をしてきました

あけましておめでとうございます。

いつも劇団WEBページをご覧いただきまして心より感謝申し上げます。

本年もよりよい作品づくりに精進して参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

新年のコラム第一弾は、昨年末の活動報告です。

 

昨年末、遠藤が女子美のアート・デザイン表現学科メディア表現領域の授業に呼ばれ、特別講義を行いました。学生数が多く、二回に分けての講義でしたが、二回目の授業は、遠藤が体調を悪くし欠席し、日程変更が不可能だったため、吉岡、松本、奥本が代行することとなりました。

 

一回目の授業

11月に行われた一回目の授業は、仮面と劇場空間についてのお話でした。
前半は仮面についての解説と実演、学生による自由体験を行いました。
後半は、インドネシア・ジャワ島の「プンドポ」という特殊な劇場空間について、遠藤の体験談を交えて紹介しました。

ノトプラジャン「耳の王子」ノトプラジャン18ノトプラジャン「耳の王子」_reduced

1996年にインドネシア・ジョグジャカルタの芸術大学の教授らと組んで、マハーバーラタを元にした「耳の王子」という作品(脚本・演出/遠藤)を、東京とジョグジャカルタで上演しました。
その時のプンドポ体験の話です。
独特な神秘主義に根ざしたインドネシアの文化・芸術にとって重要な場である「プンドポ」は、近代建築の劇場とはまったく異なり、これまで遠藤が体験したことのない時空間を超えた世界が生み出され、不思議なリアリティーを感じせた、とおまじないや瞑想にまつわる教授たちとの奇妙で魅力的なエピソードを交えながら語りました。
また、ジャワ島の影絵人形も紹介したところ、その繊細で濃密なデザインに学生達は惹きつけられていました。

授業の後は、有志学生によるたこ焼きパーティーがあるとのことで、急遽お邪魔しました。
大勢分のたこ焼きを楽しげに黙々と焼き続ける一部の学生に、遠藤はいたく感心しておりました。

 

二回目の授業

一回目の授業の反省から、二回目は「仮面をデザインするとはどういうことか」の体験として、語り作品を聴いて仮面をイメージしてみることや、学生の仮面即興体験を実施しました。
遠藤が欠席したので、劇場空間の話は概要を伝えるにとどめ、より仮面に特化した授業となりました。

2006年に宮澤賢治の「洞熊学校を卒業した三人」という作品を、学童1〜3年生の小学生たちと仮面劇化し、劇場で上演しました。児童はまず語りを聴いてイメージを膨らませ、図鑑や実物を観察しながら虫や動物の仮面を作り上げ、自分たちで演じました。
今回学生にその「洞熊学校を卒業した三人」(演出/遠藤、音楽/松本、語り/吉岡)を聴いてもらった後、当時の小学生が作った仮面を紹介しました。
実演を交えお伝えしたことで、遠藤の「でたらめに作りたい物を作ってもただの飾りにしかならない。仮面の造形は物語から紡ぎ出されてこそ機能するものになる」という考えがよく伝わったようでした。

洞熊学校を卒業した三人(小学生の仮面)

次に学生全員に、仮面を付けて人前に立つ体験をしてもらいました。
松本くんの即興演奏の中で、キャラクター面をつけて即興的に動き回るというものです。
こちらも体験をしてもらったことで、遠藤の「仮面は単なる美術品ではない。動きを伴って初めて成立する。良い仮面は動きによって表情が変わる。一方下手な仮面は動いても死んでいる」という考えがとてもよく伝わったようでした。

豊かな感性で学生たちはとても熱心に鑑賞、体験をしてくれました。
「別ジャンルだけれど、このようなデザインの要素の入った演劇に触れるのは学生にとってよかったのでは」と遠藤が言う通り、多くの学生が、刺激になった、今後の自分の活動に生かして行きたいと語ってくれました。

二回目の授業は遠藤の代行ということで気合いを入れて臨みましたが、美術畑の学生の素直な反応や、視覚イメージの強いコメントなどにも刺激を受け、大変良い体験となりました。
川口先生、佐藤先生、助手の先生方、学生の皆さん、ありがとうございました。

 

記:吉岡紗矢