語りワークショップ日誌(2014年11月3日 )

今回の語りワークショップ日誌は吉岡紗矢が担当です。

ワークショップ本編以外にも、説経節政大夫さん主催の「美音の会」鑑賞のこと、船劇場仕込みについても書いています。

そして、最後には仮面のワークショップのお知らせも。

ぜひ最後までご覧ください!


目次

ワークショップ(11月3日)

シグナルとシグナレス

シグナルとシグナレス(「賢治讃え」より)

本日のワークショップで特に盛り上がったのは、宮澤賢治作「シグナルとシグナレス」でした。

線路の脇に立つ信号機同士が恋をして、おせっかいな電信柱の邪魔だてや、親切な倉庫の屋根の後押しを受けながら、結婚の約束までしてしまう。

しかし信号機は動くことができないので、二人は夢の中でしか間近に互いの顔を見たり、抱きしめ合ったりすることができないという、幻想的でユーモア溢れる悲恋物語です

当劇団では、仮面などを使った劇として、2006年に「賢治讃え」の演目の一つとして上演したこともあります。

本日稽古したのは、二人(二本?)がまだ互いに告白できず悶々としている場面です。

シグナルが思いの丈を語った「いっそ死んでしまいたい」という長台詞のリアリティを、一言一言追求して行きました。

すると、私たち人間から見れば奇妙な繋がりを持った独特の世界の真ん中で、激しい想いを叫ぶ信号機たちの姿がありありと浮かび上がってきました。

大きな感情の起伏を飛躍した言葉で語る、その言葉一つ一つを掘り起こし、ぶっ飛んだ彼らの姿を描き出すというような指導は、遠藤さんの得意分野。

賢治さんと遠藤さんのユーモアの相性はとてもいいみたいです。

遠藤さんも指導を受ける人もノリノリで、めちゃくちゃとも思える自由さで言葉を動かしていくと、信号機たちの悲しくも可笑しい様子が鮮やかに見えてきて、稽古場では笑いが止まりません。

芝居としてまた是非再演したいものです!


11月2日の出来事

美音の会

昨日(11月2日)は、説経節政大夫さんの美音の会を聴きに行きました。

音楽の松本くんもパーカッションで出演していました。

この日調子が悪いと仰っていた政大夫さんですが、いざ舞台に上がると実に張りがあり、色気すら感じさせます。

松本くんも弾き語り三味線の揺らぐリズムと息を合わせ、随所で三味線に戦いを挑むような、緊張感のある冴えを見せてくれました。

終わった後の打ち上げで、政大夫さんから、語り芸の方の語りと、役者の語りの違いや、言葉を切るということを改めて教わりました。

ひたすら芸を追及してゆく方の、貴重な教えを授けていただく身としては、上達するしか恩に報いる術はないのだと改めて肝に銘じた日でした。

船劇場仕込み

私は上記のような都合があり参加できなかったのですが、この日(11月2日)は「恋に狂ひて」の装置仕込みが船劇場で行われました。

奥本くん、舞台監督さん、お手伝いの皆さんによって、今年3月に見たあの思い出深いセットが戻ってきました!

また、この数日後、照明の仕込みも行い、こちらも奥本くんが劇場で照明家さんと設置作業をしてくれました(両日ともに参加できなくて本当に申し訳ありません……)。

関係者の皆様、そして奥本くん、ありがとうございました。


最後にお知らせです。

11/15(土)に仮面ワークショップを行います!

自分の殻を破りたい方は是非とも参加していただきたいこのワークショップ、一度体験されると新たな視野が開けるはずです。舞台経験は不問です。皆様の参加をお待ちしております!

お申し込み・お問い合わせは劇団のお問い合わせフォーム、メール(yokohama.boat.theatre@gmail.com)、電話(080-6737-5208)からどうぞ。

吉岡紗矢

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